オリジナル小説(BL)番外編第30話

『キンモクセイの魔法に誘われて』番外編

『リゾートの海に誘われて』


※このお話はフィクションです。


ごめん秀。もしも秀がそれでかまわないなら今日だけ、いや今だけ僕は君と、その・・・」
「彬生。今から起こることは全部夢だからな。」
秀は彬生の頭を撫でながら子供に言い聞かせるように優しく言った。
秀の両手が優しく彬生の頬に触れて唇が重ねられる。
最初は優しかった秀の手が次第に強く熱いものへと変化していく。
同時に重ねられた唇の間からはスルリと舌が入り込んできた。
最初のそれとは全く違う、苦しい程熱いキスだった。



(ごめん・・秀・・)
彬生は心の中でそう呟いた。

もちろん秀には聞こえてはいなかった。

「彬生謝らなくてもいいよ。好きになった俺が悪いんだから」
激しく繰り返される口づけの合間に秀が云う。

彬生は閉じていた瞳をゆっくりと開く。

「誰も・・・誰も悪くなんかない」

その声は鼻にかかっている。

「泣いているの?」
秀の口づけが止んだ。

秀の唇が離れていくと体中の熱が冷めていくように感じて彬生は寂しくなった。
「秀、お願いやめないで・・」
彬生の潤んだ大きな瞳から流れる涙を中指で拭っていた。

「いいのか・・そんなこと云ったら俺・・」
「いいよ。そのかわり誰にもヒミツだよ」
彬生は涙を拭う秀の手を取ると小指に口づけた。

秀はそのまま彬生を抱きしめた。
最初は優しく、壊れ物でも扱うようだった。
しかし、口づけていくうちに段々と熱く激しくなっていった。

 中略 

月明かりのベッドには海の音だけが響いていた。
髪を撫でる秀の手が心地良い。
時にはその手を止めると唇が訪れる。
秀の唇が訪れる先は髪であったり、瞳であったり、頬や肩、首、そして唇・・・。
言葉を失ってしまった様にお互いに何も云わずに窓の外を見つめていた。

つい先程まで激しく愛し合っていた。
身体を求める秀に対して、その心の痛みを埋めるように応えた彬生だった。
それなのにいつの間にか自ら夢中になって秀を求めていた。
まるで空白の時間を埋めるように・・・

「秀」
「ん?」
秀の瞳に視線をあわせると髪を撫でる手に僅かに力が入った。

「朝まで時間はまだたくさんあるよ」
彬生のその言葉が何を意味しているかなんて言うまでもない。

秀は彬生の顔にかかった髪を丁寧にはらいながらキスを降らせた。

「愛してる。彬生・・ずっとこのまま・・」
言いかけた秀の唇は再び彬生の唇で塞がれた。

(もう何も云わないで、お願い秀!)

そしてまた秀の舌は彬生の口の中いっぱいを動き回る。
息もできないほど、口の横からはよだれが流れだす。
秀の指先は彬生自身に触れる。
彬生の両手は秀の背中へと回された。

(もっと激しく、滅茶苦茶にして・・僕と秀が2人とも意識を手放すくらい。

そして目が覚めたときには全てが夢だったと思えるくらいに・・・)


再び熱くなっていく体の火照りを月だけが知っていた。



疾風はひとりベッドに仰向けになって大きな月を眺めていた。
月を眺めていると昨日の出来事が鮮やかに蘇ってくる。
彩の白い頬、柔らかい絹のような髪、滑らかな肌・・・・

「何でかな」


<つづく>



やっと大詰めまでこぎつけました

悲しい話は書いているこっちの気が滅入ってきます。
秀の話は特に感情移入しすぎて
とても辛いです

この後彬生は一体どんな顔して快と逢うのかとか
秀は彬生に対して学校でどんな風に接していくのかとか
現実にはいないはずなのにそんなことを
考えてしまう作者は変でしょうか?

まだ彩先生と疾風の話がこのあとは続編として
引っ張るかもしれません(汗)

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この記事へのコメント

2007年04月17日 07:29
るる様☆おはよ~

朝から読んでます(T_T)
せっかく思いを遂げてもなんだか
寂しくなっちゃいました・・・
秀・・・かわいそーですね。
やっぱり快の存在は大きいんだという事ですね
いい感じなんだけどなぁこの2人も。
2007年04月17日 08:57
かなた様☆おはようございます

朝から重くてスミマセン(汗)
秀と彬生の2人は仲がいいんだけど
友達としてなので
こういう状況が辛いんです。
朝が来れば元通り明るくなる設定を考えています。
ちょっと矛盾してますが(苦笑)
2007年04月17日 09:40
るる様、おはよぅです☆

朝から切なくなっちゃった。・゚・(ノД`)・゚・。
でも、切ないお話大好きなので
のめり込んで読んでしまいました。
開放的になった一夜ですね。
開放的ってより、自分を壊した一夜かな!?
もぅ、るるっちの流れる文章が
本当に素敵で涙が出そう…。
秀、彼の心が一番気がかりですぅ。
2007年04月17日 10:39
凛子嬢☆ご機嫌麗しゅう

またぁ~うまいんだからぁ~
そんなに持ち上げても何も出ませんって(笑)
でも、朝から切なくしてしまってごめんなさいです。
でも、皆さんの温かい心は秀には伝わっていますvv

ところでブログペットのヅラコが斑目と遊びたいらしいんですが、どうしたらいいんでしょう?
2007年04月17日 17:56
るる様☆こんばんは

これ、これですよ~この二人です
こうこなくっちゃ!(^^)!
でも悲しい結末なのですか?
。・゜゜・(>_<)・゜゜・。
それなら大人の快に我慢してもらいたいけど
駄目ですか?
月明りが素敵(#^.^#)
2007年04月17日 23:43
ゆの様☆こんばんは

喜んでもらえてうれしいです。
でも本当に秀の話は書きながら辛いんですよ
最初は気づかなかったんですが、
途中でちゃかすのはそのためでした(汗)
何かハワイなのに月明かりばかりですね(笑)
何ででしょう?意味ないですね。
2007年04月18日 15:01
再びこんにちゎ、るるっち☆

ヅラコと遊べないですって(;゚д゚)!?
阿呆な斑目と遊ぼうとしてくれるなんて
飼い主に似て、優しいゎ~☆www
こりゃ、遊べるようにしなきゃ!!!!!!!!
2007年04月18日 15:23
凛子様☆どうも~vv

そんな設定あったのですか?
知りませんでした。
でもねヅラコがいつも斑目と遊んでないって
言うんですよ。
こちらこそ遊んでやってくださいm(__)m

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