「愛しい分だけ切ないから」第34話

「どうしようかな」

(やはり)
風希は自分から家に帰してくれると持ち出しておきながら
何か条件をつけるつもりだと彩は悟った。
爽やかに微笑むが彼の言葉が怖い。

「ああ、そうだ疾風君のところまで送って行ってあげるよ」

「えっ?!」
しかし、彼の言葉は意外と素直な内容で彩は逆に驚いた。

「どうしたの?僕はそんなに意地悪かな?」

本当に昔のように素直な兄さんに戻ってくれたのならば嬉しい。
今にでも彼に抱きつきたいが、ここまで連れてこられた経緯を考えると
素直に喜べない。

「嫌?」

「嫌じゃないよ。でも僕のマンションの方がいいな・・・」
「そうか、いいよ。僕も彩の部屋を見てみたいな」

結局こんなところまで来ても
何をするわけでもなく、帰してくれる風希の意図がわからないと
彩は彼の顔をじっと見つめた。
「ん?何?」
「・・・べ、べつになにも・・」

「もしかしたら、彩もそれなりに期待していたのかな?」

一瞬風希の瞳が凍り付くように冷たくなったのを彩は見逃さなかった。

「嬉しいよ。彩も僕が嫌いじゃないことがわかったからね」

風希の手が彩の首筋に触れる。
そのまま顔を寄せて唇が重なる。
彩はぎゅっと目を閉じると、風希が彩の掌をあやすように指先でなぞり始めた。
その行為にぞくりと体が震えるともうかた方の腕で強く抱き寄せられた。

「誰にも渡さない」

唇が這うように耳朶へと移動し、甘く噛みつきながら
耳元で低く囁かれると力が抜けていく。
「兄さん・・・やめて・・・」
呟くようにそう言うと風希は昨日咬まれた首筋の辺りを強く吸ってすら
クスッと笑って離れていった。

「うん、僕は彩が好きだから嫌がることはしないよ」

その笑顔に彩はなぜか嫌な予感がした。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。

ああ、すっかり消えてしまっていました(苦笑)

実は色々とあって少し落ち込んだり
ゼロ地点突破して浮上したり(笑)

そして昨日のWJでγたん見て俄然元気になりました

夏に向けて色々と描きたいことがたまってきました。

頑張ります

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この記事へのコメント

2008年06月10日 19:08
るる様☆こんばんは♪

彩ちゃん、風希兄さん
互いにそれぞれ胸の内深くに思い巡らすものがあるのですね
>その笑顔に彩はなぜか嫌な予感がした
この嫌な予感、当たらないとイイナァ・・・

梅雨が明けると暑い夏
その暑さを吹き飛ばすほどのパワーでガンバッテ下さいね~(o^-^)b
るる
2008年06月11日 09:41
ゆの様☆こんにちは
いつもありがとうございます。
はい、2人にはそれぞれの思い出が別々の形で残っていてそれが良いのか悪いのか・・・
読み取っていただけて嬉しいです。
うっうっう・・ここからまたどろどろした話になるかもしれません(汗)

梅雨・・・嫌なんですが、山本だと思えば
あ、腐でスミマセン(汗)
はい、がんばりま~すO(^o^)O
観尽
2008年06月11日 13:42
るる様☆こんにちは

風希はやっぱり彩ちゃんをモノにしようとしてるんですね!
うーん、でも彩ちゃんは?
なんだか、嫌々言いながら実は!
な~んて展開しないでしょうね?(笑)
兄が登場してからの展開はまさにサスペンス仕立てでドキドキします。
るる
2008年06月11日 14:25
観尽様☆こんにちは

そうです。風希は彩が好きなんですよ~
でも安易にではなく決定的に彩を手に入れようと目論んでいます。
ありがとうございます(笑)サスペンス好きなので色々考えます。密室とか・・・ないって(笑)さあどうなんでしょうね。お楽しみに!!